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複雑な鉄の形はどうやって作る?砂型鋳造の仕組みをやさしく解説!

こんにちは!札幌高級鋳物で修行中の佐々木です。
身の回りには鉄でできた製品がたくさんありますが、実は「どうやって複雑な形を作るの?」と驚かれることが多いんです。
今日はその秘密を解説します。

フィギュアのような複雑な形を鉄で作るには?

私たちが普段使うスプーンやフォークは、主に「プレス」という方法で作られています。
でも、このフィギュアのように入り組んだ形を鉄で作るには別の方法が必要になります。

その方法が「鋳造」です。
金属を1500℃以上に熱して溶かし、型に流し込んで冷やすことで、思い通りの形が生まれるんです。

実は「型」は砂でできている!

ここで驚きポイント。
鉄を流し込む「型」は、実は――砂でできているんです!

砂に粘結剤(水や粘土、樹脂など)を混ぜることで強度を持たせ、自由な形に成形できます。
これなら大きなものから細かい形まで対応でき、コストも抑えられるため、世界中で最も広く使われる鋳造法となっています。

砂型のままでは1000℃が限界

ただし、砂型そのままでは耐えられる温度はおよそ1000℃程度
鉄を溶かす温度(約1500℃)には耐えきれません。

「塗型」で1500℃に対応!

そこで使われるのが「塗型(とがた)」という工程です。
砂型の表面に特殊な液体を塗ることで、耐熱性や強度が増し、1500℃の溶けた鉄にも耐えられるようになります。

このひと工夫によって、複雑で大きな鉄の形も安定して作れるんです。

砂は繰り返し使える資源

さらに、弊社で使用している造型砂は再生処理を行うことで、何度も繰り返し使用可能です。
アルカリフェノール造型では約97%、フラン造型でも高い再利用率を誇ります。

限りある資源を大切にし、環境負荷を減らしながら高品質な製品づくりを実現しています。

まとめ

「複雑な鉄の形をどうやって作るの?」
その答えは――砂型鋳造+塗型です。

砂で作った型に鉄を流し込み、塗型で耐熱性を高めることで1500℃の高温に耐えられる。
さらに、使った砂は再生処理によって繰り返し利用できる。
身近な製品の背景には、砂という素材と職人の知恵、そして環境への配慮が詰まっているんです。

今後も鋳物の仕組みや魅力をわかりやすく発信していきますので、ぜひチェックしてください!

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