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キーエンス3Dスキャナで何が変わる?大型鋳物の三次元測定事例

こんにちは!札幌高級鋳物で日々修行中の佐々木です。
弊社では、25年末より新たな機材を導入しました。
この『ワイドエリア3Dスキャナ三次元測定機』を導入したことによって、弊社がどんなことが可能になったかブログにしてみました。
大ボリュームな内容になっていますが、ぜひご一読ください!

ワイドエリア3Dスキャナによる三次元測定体制

札幌高級鋳物株式会社では、キーエンス製ワイドエリア三次元測定機「WM-6000」を導入し、
大型・重量物・複雑形状の鋳物製品に対応した三次元測定体制を構築しています。

鋳物製造に加え、三次元測定による寸法・形状の品質チェック
さらにその結果を次工程へフィードバックすることで、
単に「つくる」だけでなく、測り、確認し、次につなげるものづくりを行っています。

鋳物品質は「つくる」だけでは完成しません

鋳物製品は、その特性上、

  • 大型・重量物であること
  • 複雑な曲面や内部形状を持つこと
  • 使用環境に応じて厳しい寸法公差が求められること

といった条件が重なるケースが多くあります。

そのため鋳物の品質は、
「どれだけ良い鋳物をつくれたか」だけでなく、
「その形状・寸法をどこまで正確に把握し、説明できるか」
も重要になります。

札幌高級鋳物では、
正確な測定と客観的な品質チェックができる体制そのものを、品質管理の一部と考えています。

大型・複雑形状鋳物の測定が難しかった理由

従来、大型鋳物や複雑形状鋳物の測定には課題がありました。

卓上型の三次元測定機(約500×500×300mm制限)では、

  • 製品サイズが装置に収まらない
  • 深い凹部や入り組んだ曲面が測定できない
  • 測定可能な範囲が限定される

といった制約があります。

また、ノギスやゲージによる手作業中心の測定では、

  • クレーンを使用した反転作業が必要
  • 複数人による測定作業
  • 作業者ごとの測定方法や判断によるばらつき

が避けられず、測定結果の再現性や説明性に限界がありました。

「測れない形状は、管理も確認もできない」
これが、従来の鋳物品質管理における大きな課題でした。

ワイドエリア三次元測定機「WM-6000」

こうした課題を解決するため、札幌高級鋳物では
キーエンス製ワイドエリア三次元測定機「WM-6000」を導入しました。

 

設備概要

  • メーカー:キーエンス
  • 設備名:ワイドエリア三次元測定機
  • 型式:WM-6000
  • 測定方式:レーザスキャン方式
  • 測定範囲:最大 約10m(当社導入仕様)

工場内に設置された大型鋳物を、
移動させることなく、その場で三次元測定できることが特長です。

WM-6000による三次元測定体制の特長

大型製品を動かさずに測定

最大約10mのワイドエリアに対応しており、
大型鋳物製品を移動・反転させることなく、その場で測定が可能です。

これまで2〜3人がかりで行っていた測定作業も、
一人で効率的に実施できる体制を構築しています。

 

複雑形状・凹部まで正確に測定

小型のレーザスキャンプローブを使用することで、

  • インペラのような複雑な羽根形状
  • 入り組んだ曲面や深い凹部

といった、従来の接触測定では届きにくかった箇所も測定可能です。

また、一度で視野に入りきらない大型製品についても、
カメラを移動させながら測定し、データをつなぎ合わせることで、
全体形状を高精度に取得できます。

測定時間短縮とばらつき低減

設置から測定開始までの準備時間は約2分。
直感的な操作で測定できるため、専門的な技能に依存しにくい点も特長です。

  • 測定作業時間の短縮
  • 測定作業の属人化低減
  • 作業者ごとの測定ばらつきの抑制

を同時に実現し、安定した品質チェック体制につながっています。

データに基づく品質チェック体制

WM-6000では、取得した三次元データと3D CADデータを直接比較できます。

  • 図面寸法との差を色で可視化
  • 公差内・公差外を一目で確認
  • 測定結果をデータとして保存・提出

これにより、感覚や経験に頼らず、
数値とデータに基づいた客観的な寸法・形状の品質チェックが可能になります。

現物スキャンから製品づくりへ

三次元測定は、検査のためだけの工程ではありません。

札幌高級鋳物では、

現物 → スキャン → CAD → 鋳物製造

という流れを社内で完結させることができます。

図面やCADデータが残っていない部品、廃盤部品、
現物合わせが必要な部品についても、
「測れないから作れない」という制約を減らし、次の製品づくりにつなげています。

用途・事例から見る三次元測定の活用シーン

ワイドエリア三次元測定機「WM-6000」は、
単なる検査装置ではありません。

「測れなかったから諦めていた」
「測定がネックで判断できなかった」

そうした場面に、新しい選択肢を生み出します。

大型ポンプ・ケーシングの寸法確認

—「大きすぎて測れない」をなくす—

大型ポンプやケーシング部品は、
サイズ・重量ともに大きく、測定自体が負担となっていました。

WM-6000により、

  • 製品を動かさず、その場で測定
  • 全体形状と局所寸法を同時に把握
  • 組立前に干渉リスクを事前確認

が可能になります。

「組んでみないと分からない」から、
「組む前に分かる」へ。

インペラ・羽根形状部品の形状確認

—複雑だからこそ、三次元で見る—

曲面が連続するインペラや羽根形状部品では、
従来の点測定では全体像を把握することが困難でした。

WM-6000では、

  • 羽根全体を三次元データとして取得
  • 設計CADとの形状比較
  • 羽根ごとのばらつき可視化

が可能です。

「合っているかどうか」ではなく、
「どこが、どの程度違うか」が分かります。

図面のない部品・廃盤部品の再製作

—現物があれば、スタートできる—

 

図面が残っていない部品や、廃盤となった部品でも、今までは手書きスケッチのみの対応となっていましたが、
現物をスキャンすることで形状を取得し、CAD化が可能になりました。

現物が“図面になる”。

補修部品や一品ものの再製作において、
対応できる幅が大きく広がります。

試作・一品もの鋳物の形状確認

—次の改善につなげる測定—

試作段階では、
「まず作り、次にどう直すか」が重要になります。

WM-6000による測定は、

  • 試作形状の正確な記録
  • 次回設計へのフィードバック
  • 改善点の可視化

を可能にし、
測定を次の一手を考えるための情報へと変えます。

組立前検証・トラブル未然防止

—あとから困らないための測定—

大型鋳物や複雑形状部品では、
組立後の修正が難しいケースも少なくありません。

三次元測定により、

  • 干渉の可能性
  • 取付面のズレ
  • 寸法の累積誤差

を事前に把握し、
問題が起きる前に確認することが可能です。

測定対応範囲と製造可能サイズについて

ワイドエリア三次元測定機「WM-6000」は、
最大約10mの測定エリアに対応しています。

一方で、札幌高級鋳物が製造できる鋳物製品には、
設備・工程上の制約による製造可能な最大サイズがあります。

現在、当社で製造可能な鋳物製品の目安は以下の通りです。

  • 高さ:1,000mm
  • 長さ:1,500mm
  • 最大製品重量:500kg

これらの条件内において、
製品サイズや形状に応じた三次元測定および品質チェック体制を構築しています。

製造可否や測定方法については、
製品仕様や用途を踏まえたうえで、事前に確認・ご説明を行っています。

お客様に提供できる価値

本ページで紹介した三次元測定体制により、
札幌高級鋳物では次のような価値を提供しています。

  • 大型鋳物でも確実な寸法・形状の品質チェック
  • 複雑形状でもデータに基づく説明が可能
  • 測定ばらつきの少ない安定した品質管理
  • 図面がなくてもスキャンを活用した対応

測定まで含めて、鋳物品質を支えます

札幌高級鋳物は、
「つくる」「測る」「確認する」「次につなげる」
一連の品質管理体制を重視しています。

大型鋳物、複雑形状、三次元測定でお困りの際は、
ぜひお気軽にご相談ください。
お問い合わせはこちら

ここまで読んでいただきありがとうございました!

 

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