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キュポラと電気炉の違いとは?鋳物づくりに欠かせない溶解炉をわかりやすく解説!

こんにちは!札幌高級鋳物で修行中の佐々木です。
私は今、現場での経験とあわせて、鋳物づくりに関する知識を日々学びながら、金属と向き合うものづくりの奥深さを実感しています。

先日、TikTokで投稿した動画が12万回再生を突破しました!
たくさんの方に見ていただき、本当にありがとうございます。コメント欄では、鋳物や製造方法についての興味深いご質問を多くいただき、私自身もとても勉強になっています。

TikTokのコメント欄でこんな質問をいただきました。

「コークスを燃やすんやと思ってた」
「それはキュポラで、電気炉とは別物だよ~」

実はこの違い、鋳物づくりにとってはとても重要なポイントなんです。
今回は、キュポラと電気炉の違い、そして生産方法との関係についてわかりやすく紹介します。

キュポラとは?

キュポラは、昔から鋳物工場で使われてきた溶解炉です。円筒形の炉の中で**コークス(炭の一種)**を燃やし、その熱で金属を溶かします。
炉の中には、コークスと金属(鉄くずなど)を交互に層状に積み重ねて装入し、下から風を送り込んで一気に高温にします。こうすることで、金属が効率よく溶けていく仕組みです。

大量の製品を同じ条件で一度に溶かすのが得意で、大量生産型の工場では今も活躍しています。
ただし、炉を止めると再稼働に時間がかかるため、頻繁な品種切り替えには向いていません

電気炉とは?

電気炉は、名前の通り電気の力で金属を溶かす炉です。
燃料は不要で、温度管理も比較的簡単。炉の立ち上げ・停止がスムーズで、材料の切り替えも柔軟にできるため、少量多品種生産に非常に向いています

札幌高級鋳物で使用しているのは、高周波誘導炉と呼ばれるタイプです。
これはコイルに高周波電流を流し、発生する電磁誘導の力で金属を直接加熱・溶解する仕組みです。燃焼式と違い、金属そのものが内部から効率よく温まるため、短時間で溶解できるのが特長です。

さらに、高周波誘導炉は温度管理がしやすく、必要な量だけを溶かせるので、札幌高級鋳物のように多様な製品を小ロットで生産する工場には最適なんです。

項目 キュポラ 電気炉
燃料 コークス 電気
得意な生産 大量生産 少量多品種
温度管理 職人の経験が必要 自動制御で安定
切替のしやすさ 苦手 得意
ランニングコスト 燃料費は安い 電気代は高め
環境への影響 排ガスが多い 比較的少ない

まとめ

キュポラ → コークスを燃やす昔ながらの炉。大量生産に向いている。
電気炉 → 電気で溶かす近代的な炉。少量多品種に強い。

TikTokでいただいたコメントのおかげで、普段はなかなか伝わりにくい溶解炉の違いをお話しすることができました。
今後もSNSでいただいたご質問には、ブログでも丁寧にお答えしていきたいと思います!

そして、札幌高級鋳物の最大の強みは、この電気炉を活用した少量多品種生産です。
当社では300種類近くの材質に対応し、1個単位からのご注文も可能。
お客様の多様なニーズにお応えできる柔軟な体制が整っています。

溶解炉の特徴を活かし、これからも高品質なものづくりに挑戦していきます。

TikTokアカウント: 金属が好きすぎる佐々木 (@imono_love_sasaki) | TikTok

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