
鋳物の表面がボコボコする理由は?鋳肌と造型方法をわかりやすく解説
こんにちは!札幌高級鋳物で修行中の佐々木です。
先日投稿したTikTok動画が、たくさんの方にご覧いただき、再生数はなんと12万回を突破しました!
たくさんの反響をいただき、本当にありがとうございます。
コメント欄には興味深い質問がいくつかありました。
「なんで鋳物って表面ボコボコするんだろ?🤔」
「砂型だったり、金型でも液体から固体に変化するときに収縮するので、切削加工したように表面は綺麗には出来ないです。」
今回は、このご質問にお答えする形で、鋳肌(いはだ)がざらざらする理由と、
札幌高級鋳物で採用している造型方法、さらに当社の強みについてわかりやすく紹介します。
鋳肌(いはだ)とは?
「鋳肌」とは、鋳物を型から取り出したときの表面状態を指します。
鋳物の多くは砂で作られた型(砂型)を使うため、砂の粒子の状態がそのまま製品表面に転写されます。
このため、鋳物はどうしてもざらざらした質感になることが多いのです。
なお、使用する金属の種類によって鋳肌の色や質感に多少の違いはありますが、ざらつきの違いはあまりありません。
鋳肌がざらざらする主な理由
① 砂型の粒子による影響
鋳物は高温の金属を砂型に流し込んで製造します。砂の粒子が粗いと、その形が表面に転写され、鋳肌がざらざらになります。
② 金属の収縮による凹凸
TikTokのコメントにもあったように、金属は液体から固体になるときに収縮します。
凝固する過程で微細な凹凸が生じるため、切削加工のようなツルツルな表面をつくるのは難しいのです。
特性に合わせた2種類の造型方法
札幌高級鋳物では、製品ごとに最適な精度を実現するため、2種類の自硬性造型方法を採用しています。
■ アルカリフェノール自硬性造型
- 砂に樹脂と硬化剤を混ぜ、時間をかけて固める方法
- 砂粒が丸いため、鋳肌が比較的なめらかに仕上がるのが特長
- 使用する砂の自社再利用率は約97%
■ フラン自硬性造型
- 速硬化型で、複雑な形状や薄肉製品の製造に向いています
- 使用する砂の自社再利用率は約87%
この2種類を製品特性に合わせて使い分けることで、最適な鋳肌の品質と寸法精度を実現しています。
環境にも優しい砂の再利用
弊社で使用している造型砂は、再生処理を行うことで何度も繰り返し使用可能です。
アルカリフェノールでは約97%、フラン造型でも高い再利用率を誇ります。
資源を大切にし、環境負荷を減らしながら高品質な製品づくりを行っています。
まとめ
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鋳肌がざらざらするのは、砂型の粒子の影響と金属の収縮が主な理由
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弊社では、アルカリフェノール自硬性造型とフラン自硬性造型を製品ごとに使い分け、最適な鋳肌を実現
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造型砂は再利用率が高く、環境に配慮したものづくりを行っています
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約300種類の材質に対応し、1個からのご注文も可能です
TikTokでいただいたご質問をきっかけに、鋳肌と造型方法の奥深さをお伝えできました。
今後もコメント欄でいただいた疑問に、ブログでわかりやすくお答えしていきます!