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[ブログ] 小椋ってどんな人なの?(進化編)

仕事を覚え、出来る事も増えたことで、先輩や上司から褒められるようになってきました。
叱られたことは山ほどありましたが褒められることがそれまでの人生で殆ど無かったので、とても嬉しかったことを覚えています。
すると、当時の製造部長(高橋典夫氏)より鋳造方案を担当しないかと打診があり、元々目指していたので快諾しましたが、この頃から方案との闘いが始まります。

配属直後、高橋氏より職人の経験と感性、学術的な知識を掛け合わせることで技術屋になれると教わりましたが、経験が浅く、勉強が苦手な私はとにかくイメージを膨らませる(感性を磨く)ことに専念しました。

鋳造方案に携わるようになった当時の不良率は、約5−7%でした。(とんでもなく悪い数値です)
不良率削減を目指し、試行錯誤をしていく中、ショットブラスト直後(製品+堰+押湯)の状態を観察することで不良・不具合対策の情報を得ることが出来ることに気づき、毎日欠かさず昼休みや終業前に仕上げ工場を廻り、時には仕上げ担当者から聞き取りを積み重ね少しずつ方案を確立してきました。
こうして不良品の山を築きながらその都度、悩み苦しみながら対策してきたこと現在では約2.5%と、安定的に不良率を減らすことに成功できたと思います。

これは持論ですが、不良・不具合・トラブルなどに如何に向き合い行動するかで自分の中に沢山の「ひきだし」ができます。「ひきだし」を沢山持っていると選択肢が増えますが、選択肢が増えるとどれが正解なのかがわからなくなってしまうこともあります。そこで、最適な「ひきだし」を選択するためにはどうすればよいのかを考える必要があります。さて、ここからが重要です。

みなさん、正しいと思える仕事してますか?
この考え方は仕事だけではなく、生きてく上で全ての「選択」に当てはまると思います。
人は誰しも損得勘定や楽な方を選びがちです。無論私自身も含みます。
正しいと思える選択をして、失敗したことは経験になり、それが誤っていたことに気づきます。

そして別な選択が正しければ、それが正しい選択として自分の中に蓄積されます。
これこそが「ひきだし」であり技能だと私は思います。
技能力が高い人は「ひきだし」を沢山持っているはずです。

会社からの指示事項も多く、作業標準などのマニュアルもあり、先輩の指示通りにやらなければならないので「ひきだし」を増やす機会が無いと思ったら大間違いです。
どのような立場の人でも毎日必ずあるはずなので考えてみて下さい。(自分で見つけることが大事です)
最後になりますが「ひきだし」の選択には注意が必要です。おかれている状況により「ひきだし」の種類が変わるということです。ゆえに日々の業務で正しいと思っていたことが失敗することもモノづくりにおいては日常茶飯事です。

本当に鋳物は難しいですね~。

「正しい」をキーワードに今日も頑張りましょう。

ありがとうございました。

(次回、「勘違い編」へ続く)

 

札幌高級鋳物株式会社
取締役 製造部長

小椋博樹

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