BLOG

【工場紹介】造型班の1日

こんにちは、札幌高級鋳物です。
今回は、製造部・造型班の主な作業内容についてご紹介します!

【ものづくりの現場】砂型鋳造を支える造型班の仕事とは?

鋳物製造において欠かせない工程のひとつが「砂型鋳造」。
その中でも、製品の仕上がりに直結する“型づくり”を担っているのが、私たち札幌高級鋳物の造型班です。
造型作業は、鋳物の品質や形状、耐久性に大きな影響を与える重要なプロセス。今回はその作業内容を詳しくご紹介します!

【型込め】鋳型の基礎を築く作業

最初の工程である「型込め」では、木型を金枠にセットし、鋳型用の砂(鋳物砂)を丁寧に詰めていきます。
この工程が砂型鋳造における“土台”とも言える部分です。
枠のサイズは多種多様で、小さなものは約300mm、大きなものでは2500mmを超えることも。
用途や製品のサイズに応じて使い分けています。
使用する砂は、粒度や薬品の添加量などが製品に与える影響も大きく、慎重な管理が必要です。

⚠️ ポイント:鋳型の砂は、ただ詰めるだけでは不十分です。しっかりと突き固めることで、強度のある型が完成します。詰めが甘いと、後の「抜型」工程などで崩れてしまうことや、溶湯に耐えられず、焼き付きの原因になるなど製品不良に繋がるリスクがあります。

【抜型】砂型を壊さず木型を抜く、繊細な作業

「抜型」は、木型を砂型から丁寧に引き抜く工程です。
作業者の手元の加減ひとつで、砂型が壊れてしまうため、まさに職人の熟練技が問われます。
砂型は固まりつつ、わずかに膨張する特性を持つため、ハンマーなどの道具を用いて、慎重に緩めながら抜く必要があります。
特に細かな模様や複雑な形状を成形している場合は、数ミリのズレも許されない繊細な作業です。

⚠️ ポイント:単に手作業に頼るだけでなく、道具を正しく使いこなすことも大切。力の入れ方や抜くタイミングは経験がものをいう部分です。地味ですが、集中力とコツが求められる大事な作業です。

【塗型】耐熱性を向上させ、鋳肌を綺麗にするための工程

抜型が終わった砂型には、「塗型(とかた)」と呼ばれる特殊な塗料を塗布します。
これは1500℃を超える溶湯(ようとう)に耐えるため、非常に重要なプロセスです。
塗型は鋳肌の美しさにも直結し、鋳物製品の仕上がりを左右します。
アルコールを含む塗型材を塗布した後、火を使ってアルコール分を飛ばします。

⚠️ ポイント:火を扱う工程のため、安全確認とチームワークが不可欠です。作業者同士の声掛けやタイミングの確認など、細やかな連携が製品の品質を支えています。

【型かぶせ】鋳込み直前、砂型を仕上げる最後の工程

上下の砂型を正確に組み合わせる「型かぶせ」では、ズレや異物混入がないよう、細心の注意が払われます。
型ズレが起こると、製品の寸法精度が失われ、鋳造不良の原因になります。
また、この工程では「中子(なかご)」と呼ばれる内部構造を形成する砂型パーツを組み込むことで、鋳物ならではの複雑な形状を実現できます。

⚠️ ポイント:鋳物ならではの中空構造や複雑な内部形状を実現する中子の存在は、砂型鋳造の技術力を象徴するポイントでもあります。

【鋳込み】1500℃の溶湯を扱う迫力の工程

いよいよ「鋳込み」。溶けた金属(鋳鉄または鋳鋼)を砂型の空洞に流し込みます。
この工程では、高温下での安全対策が最優先事項です。
作業者は耐熱防護服を着用し、緊張感の中で一滴も無駄にしないよう流し込みます。
鋳鉄と鋳鋼では流動性が異なるため、温度管理や流し込みの勢いも微調整が必要です。

⚠️ ポイント:鋳鋼は粘り気があるため、型のすみずみにまで金属が行き渡るようにコントロールすることが、最終的な製品の完成度に繋がります。

【型バラシ】鋳物を取り出す、再利用にも配慮した作業

金属が冷えて固まった後、「型バラシ」によって砂型を壊し、鋳物製品を取り出します。
「シェーカー」と呼ばれる振動機を使って砂型を崩していくため、作業のスピードと丁寧さの両立が求められます。
崩れた砂は空気輸送で再生機に送られ、再利用されます。

⚠️ ポイント:砂型鋳造は、砂のリサイクルによって資源を無駄にせず、持続可能なものづくりに貢献しています。

おわりに:造型班が支える“高品質な鋳物づくり”

造型班の仕事は、単なる作業ではありません。一つひとつの工程において、技術と経験、集中力が求められます。
砂型鋳造の要ともいえるこの造型工程が、私たちの“高品質な鋳物”を支えているのです。

今後も、札幌高級鋳物のものづくりの現場や職人たちの技術を、ブログやInstagram通じてご紹介していきます。
鋳物や砂型鋳造に興味のある方は、ぜひ今後の更新もお楽しみに!

Instagramでは札幌高級鋳物の日常や作業風景などを投稿しております!
Instagramはこちら  

BACK TO LISTS